国土交通省中部地方整備局と4県1市で構成する「施工体制の確保に関する推進協議会」の委員会・幹 事会合同会議が、名古屋市内で開かれ、公共工事の品質確保と不良・不適格業者の排除に向けて、協議会・ が連携して取り組むことが確認された。当面、技術職員が不足しているといわれる市町村の発注体制につ いて実態を調査。その上で、公共工事発注機関として求められる組織・体制、国などによる発注者支援の 方法などについて、来年1月から3月にかけて県別に市町村との意見交換会を行う。意見交換を通じて共 通認識を得て、市町村への具体的な発注者支援につなげて行きたい考えだ。
公共工事入札をめぐっては近年、くじ引きによる落札決定や、低価格受注などが頻発。こうした状況は、公共工事の品質確保に支障を来しかねず、労働条件の悪化などにより建設産業の健全な発展をも阻害する恐れがあると危ぐされている。とりわけ技術力が脆弱(ぜいじゃく)な市町村の公共工事発注については、中部地方整健局が行っている各県建設業協会などとの意見交換会でも、発注体制を国並みの水準に充実させるよう要請が相次いでいるという。
このため会議では、中部地方整備局の木下誠也企画部長が、適切な施工体制の確保、不良・不適格業者の排除へ向け、協議会を通じて(1)市町村の発注体制の実態把握 (2)標準的な発注体制の共通認識確立 (3)市町村への発注者支援−などに取り組むことを提案した。 出席した愛知、岐阜、三重、静岡の各県(長野はオブザーバー)と名古屋市の発注部局幹部からも共通認識が得られたことから、まず、実態調査を早々に各県別に実施。県ごとに一部エリアの市町村を抽出して詳細な調査を行い、執行体制が脆弱な市町村と組織・体制が充実している市町村をそれぞれ調べる。
さらに来年1用から3月にかけて、各県別に市町村との意見交換会を開催。発注者が果たすべき機能は何か、発注体制・組織はどうあるべきか、また求められる発注者支援の仕組みとは何かについて話し合い、共通認識としてまとめたい考えだ。入札方式だけでなく、調査・計画段階から業者選定、監督・検査、管理までの各段階にわたる品質確保の取り組みを検討の対象とする。
公共工事の品質確保では、発注者責任の観点から「公共工事品質確保法」が議員立法で検討されているが、協議会の取り組みは新
法の先取りといったとこ、ろ。発注者支援の方法としては、既存の各県建設技術センターなどの活用のほか、国の監督・検査基準や制度の導入などノウハウ面の支援が考えられ、「悪貨が良貨を駆逐する」ことを防ぐために、どこまで異体化できるか注目される。 |