日本工業規格表示許可工場 幸栄産業株式会社
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ポーラスコンクリートの機能と用途
 ポーラスコンクリートは、利用形態によって、
「環境負荷低減型」「生物共生型」に分けられます。

【環境負荷低減型ポーラスコンクリート】
環境負荷低減型ポーラスコンクリートは、車道関係に適用される排水性舗装、公園や歩道等に使われる透水性舗装、水分を空隙内に滞留させる保水性舗装があります。また、これらの多孔質材料は、自動車が走行する際の騒音を吸収する吸音材としての利用がよく知られています。
 透水性舗装は、舗装面下の土壌に雨水を浸透させて、地下水の枯渇による地盤沈下を防 いだり、舗装面下の微小生物の生息環境を良好なものにするほか、夏場など陽射しの強い ときには空隙中の水分を空気中に蒸発させることによって、暑さを和らげる働きをします。
 歩道や公園に使用する透水性舗装は、コンクリート中の空隙に水分はジワーツと浸み込んでいくわけです。 最近では、この考え方を発展させて、コンクリート中に水を滞留させてジワジワと蒸発させる「保水性舗装」を、歩道等に使っていこうという方向にあります。そちょうどウレタンマットが水を吸い込んだような状態にしておいて、徐々に水を蒸発させていこうという使い方が考えられています。
したがって、透水性舗装や保水性舗装は自然の地盤とよく似た状態が形成されます。
 排水性舗装は、路面に降った雨水を、下層路盤との境界面から横方向にすぐ排水するものですが、これを車道に適用すると路面に水が溜まりませんので、自動車交通の安全性向
上に非常に効果があります。

【生物共生型ポーラスコンクリート】
舗装や吸音関係の技術はヨーロッパで開発されたものですが、緑化・植生や水質浄化、藻場造成やハビタット(生物の生息圏、生育空間)といった生物共生型のポーラスコンクリート技術は日本が独自に開発したものです。

 国土交通省は、平成9年の河川法改正で、従来の治水・利水に加えて、水質や生態系の保全、水と緑の景観や河川空間のアメニティ確保といった河川環境の整備と保全の観点を前面に打ち出しました。併せて、第9次治水事業7箇年計画では、従来のコンクリート護岸に替って「コンクリートのない川づくり」、「コンクリートの見えない川づくり」を指向し、すべての河川で生物を重視した多自然型川づくりを積極的に進める方針を示しています。

 一方、日本の沿岸海域では、磯焼け(エルニーニョ現象による海水温の上昇や海水の塩分減少等で磯の海藻が枯死すること)の発生や乱獲によって魚介類の水揚げ量が急減しています。この一因として、高度経済成長期に行われた河川上流部での広葉樹林の伐採や多目的ダムの建設によって、落ち葉の腐食による栄養分が河川を通じて海に流入しなくなったことが考えられます。

 そこで農林水産省は、海の環境整備と保全を行い、「獲る漁業」から「育成する漁業」への転換を図っています。自然環境との調和や水産資源の涵養を目指して、防波堤の建設に当たっては構造的な強さや安定性だけでなく、周辺の生物資源の修復と、それを更に進めて育成・創造するという方針に転換しています。これを受けて、海における生物多様性の確保の基本となる藻場造りのために、ポーラスコンクリートを用いる研究も進んでいます。

 緑化コンクリートは、ポーラスコンクリートの空隙中あるいは表面に敷いた客土に、芝生や各種雑草類の種を蒔いたり苗を移植して、それらの植物を生育させるものです。適用場所は河川や道路、宅地造成の法面で、二次製品か現場打ちコンクリートで施工されます。

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