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護岸にポーラスコンクリートを使うメリット |
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多自然型川づくりを進める上では治水と生態系保全を両立しなければならないという課題があります。これは、自然と人間が共存・共生していくために、避けて通れない問題です。
また、前述したように、平成9年度に建設省(現国土交通省)は、従来からあるコンクリート護岸に替わって、「コンクリートのない川づくり」もしくは「コンクリートの見えない川づくり」を推進する方針を打ち出しています。
しかしながら、現実的には、治水上の安全を確保する必要から、コンクリートをやむを得ず使わざるを得ない河川も存在し、平成8年度の統計によれば、「コンクリートを使わない河川」および「コンクリートの見えない河川」は全体の約3分の2であり、残りの約3分の1は「コンクリートの見える川づくり」となっています。
「治水安全度を確保すること」と「生態系を保全すること」。この相反する命題を解決する方法とは?
そこで注目されるのが、ポーラスコンクリートを使った多自然型護岸工法、すなわち「ポーラスコンクリート河川護岸工法」です。
ポーラスコンクリートを河川護岸に適用すると、従来のコンクリート河川護岸としての堤防および河岸の侵食防止機能を確保するとともに、自然環境の保全・復元といった機能が期待されます。
ポーラスコンクリートの中で連続した空隙は、水や空気および植物根を自由に通すことが出来るため、植物の根がポーラスコンクリートに進入あるいは貫通し、植物が繁茂することが出来ます。
次いで、植物が生育して緑に覆われるので生物が生息可能な空間(ハビタット)を保有できること、また、土砂の堆積を促進する作用があり、これによって、自然の再生機能を期待することが可能となります。さらには、空隙自体が土壌動物類または昆虫類の幼虫の生息場所となるため、生物多様性を期待できるのです。
このように、ポーラスコンクリートは河岸の侵食防止機能だけでなく、植生基盤および動物の生息空間(ハビタット)としての役割を果たすことが出来るのです。 |
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