日本工業規格表示許可工場 幸栄産業株式会社
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なぜ護岸にポーラスコンクリートが使われるの?



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なぜ護岸にポーラスコンクリートが使われるの?

これからの護岸整備(多自然型川づくり)とポーラスコンクリート

これまでの河川整備は、治水・利水を主目的として実施されてきました。
その一方で、川には環境資源的な側面があり、多様な動植物の生態系を維持したり、水と緑の自然景観を創出したり、自然の浄化作用や清涼感などのさまざまな環境作用がありました。また、川は身近な自然とふれあう貴重な場でもあり、母なるものとして、さまざまな歴史・文化をはぐくんできたとも言えます。

 環境問題がクローズアップされている今日では、川はもっとも身近な環境要素の一つであり、源流域や自然河川、自然堤防の積極的な保全など、川の自然環境を保全し創造することをこれまで以上に強く意識した川づくりが求められています。特に、親水空間や景観重視といった、人間から見て望ましい川づくりだけではなく、川に生育・生息する動植物のことを考慮した生態系重視の川づくりが強く求められるようになってきています。

 平成2年11月の「多自然型川づくりの推進について」という建設省河川局関係課長通達のなかで、「多自然型川づくり」とは「河川が本来有している生物の良好な生息・生育環境に配慮し、あわせて美しい自然環境を保全あるいは創出する事業の実施をいう」と定義されています。 また、平成9年12月には河川法が改正され、河川法の目的として、治水・利水に加え、「河川環境の整備と保全」が位置づけられました。さらに、平成9年度に策定された第9次治水事業7箇年計画においては、従来からあるコンクリート護岸に替わり、「コンクリートのない川づくり」もしくは「コンクリートの見えない川づくり」を目指して、多自然型川づくりを積極的に実施することとなりました。

 ポーラスコンクリートを用いた護岸整備は、治水のみならず、微生物を含んだ動植物の生息・生育場所としての機能が注目され、自然生態系の保全、河川景観の向上などをねらいとする多自然型川づくりの一工法として非常に有効な工法とされています。

 また、これからの河川整備の方向性として、以下の点が挙げられます。
■多様な生物が生息可能な空間(ハビタット)の保全
 平瀬、早瀬や淵などの多様な河川形状を保全し、多様な生物の生育・生息環境(ハビタット)の確保。
また、希少種や絶滅のおそれのある種をはじめ、その川の特徴的な環境に生息・生育する動植物を代表する生物に着目することにより、その川らしい生物の生息・生育環境を保全・復元する。

■生態系の連続性の確保
  遮断しがちな上下流方向および横断方向の生態系の連続性の確保。

■水の循環の確保
  地下水や湧水など自然の水の流れを遮断しないように、水際域の透水性を確保するなど、水の循環の確保。

■川本来のダイナミズムの維持
  中規模の撹乱は生物多様性を高めると言われている。出水による撹乱や季節ごとの流量の変化など、川自体が持つダイナミズム(変動性)の維持。

 また今後は、河川整備を進める上で、河川に関する情報を発信するとともに、川に関心を持つ市民や学識者、関係団体等と日常的に情報交換や意見交換を行っていくことが重要な鍵となります。
 これからの河川環境整備、護岸整備においては、これらの点に留意することが必要であり、単に土木的な発想のみではなく、生物学や生態学の観点から、護岸を含めた河川の物理的条件と生態系との相互関係について理解していくことが必要です。
 ポーラスコンクリート河川護岸工法は、多自然型川づくりとしての、これからの護岸整備の要求に応えうる多自然型工法であるといえます。

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